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故郷くに靜岡しづをか流石さすが士族出しぞくでだけ人品じんぴん高尚かうしようにて男振をとこぶりぶんなく、さいありがくあり天晴あつぱれの人物じんぶついまこそ内科ないくわ助手しよしゆといへども行末ゆくすゑのぞみは十のさすところなるを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
演奏会は数千の人を集めて、数千の人はことごとく双手そうしゅげながらこの二人を歓迎している。同じ数千の人はことごとく五はじいて、われ一人を排斥している。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だも動かされぬほどしばられながらも、なお心中に言わんと欲することを敢然として口に出すがごときは、真の心の独立で、百万の敵も彼の口をふさぐごとはできぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
なお、鵜殿うどの党、何郷の党と、十にあまる熊野武族の名が、かぞえられた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平均は実在的じつざいてき現象を測るもので、ノルムは実際経験の後、れいうとなく、十もくが見、十ゆびさして、一種の理想的標準を設け、物を測定するに用うるものであるとおもう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これなん、咲耶子さくやこの一伏現ふくげんする裾野馴すそのならしの胡蝶こちょうの陣。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)