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打碎
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うちくだ
果は
艇舷の
材木でも
打碎いて、
粉にして
飮まんかとまで、
馬鹿な
考も
起つた
程で、
遂に
日は
暮れ、
船底を
枕に
横つたが、
其夜は
空腹の
爲に
終夜眠る
事が
出來なかつた。
それから
時々悽じい
音がしたり、
宛で
皿や
鍋が
粉々に
打碎かれるやうに。
あらゆる
防水の
方便は
盡されたが、
微塵に
打碎かれたる
屹水下からは
海潮瀧の
如く
迸入つて、
其近傍には
寄り
附く
事も
出來ない。十
臺の
喞筒は、
全力で
水を
吐出して
居るが
何の
效能もない。