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懷紙
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ふところがみ
ふりがな文庫
“
懷紙
(
ふところがみ
)” の例文
新字:
懐紙
と
如何
(
いか
)
なる
企
(
くはだて
)
か、
内證
(
ないしよう
)
の
筈
(
はず
)
と
故
(
わざ
)
と
打明
(
うちあ
)
けて
饒舌
(
しやべ
)
つて、
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひうた
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする、
懷紙
(
ふところがみ
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
で
見
(
み
)
せびらかした。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鬼貫は立つて縁先より娘のうしろ影を見送りゐたるが、やがて行燈をよきところに直して、小さき古机を持出し、しづかに筆を執りて
懷紙
(
ふところがみ
)
に何か書きはじめる。雪の音、木魚の音。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其處
(
そこ
)
へあの、
牝
(
めす
)
の
黒猫
(
くろねこ
)
が、
横合
(
よこあひ
)
から、フイと
乘
(
の
)
りかゝつて、お
君
(
きみ
)
のかいた
歌
(
うた
)
の
其
(
そ
)
の
懷紙
(
ふところがみ
)
を、
後脚
(
あとあし
)
で
立
(
た
)
つてて
前脚
(
まへあし
)
二
(
ふた
)
つで、
咽喉
(
のど
)
へ
抱
(
かゝ
)
へ
込
(
こ
)
むやうにした。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
君
(
きみ
)
は、しかけた
用
(
よう
)
の
忙
(
いそが
)
しい
折
(
をり
)
から、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
暮
(
く
)
れかゝる、ついありあはせた
躾
(
しつけ
)
の
紅筆
(
べにふで
)
で
懷紙
(
ふところがみ
)
へ、と
丸髷
(
まるまげ
)
の
鬢
(
びん
)
艶
(
つや
)
やかに、もみぢを
流
(
なが
)
すうるはしかりし
水莖
(
みづぐき
)
のあと。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
懷
部首:⼼
19画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“懷”で始まる語句
懷
懷中
懷手
懷姙
懷劍
懷胎
懷妊
懷劒
懷想
懷疑