悉皆みな)” の例文
十か二十か悉皆みなとははずたゞまいにて伯父おぢよろこ伯母おば笑顏ゑがほ、三すけ雜煮ぞうにのはしもらさるゝとはれしをおもふにも、うでもしきはかね
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なーるほど、にこやかでほゝふくれてゐるところなんぞは大黒天だいこくてんさうがあります、それに深川ふかがは福住町ふくずみちやう本宅ほんたく悉皆みな米倉こめぐら取囲とりまいてあり、米俵こめだはら積揚つみあげるからですか。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あなた、石炭がもう悉皆みなになりましたのよ。どうぞ正午ひるまでに宅に届けて呉れるやうに電話を
ぢれも肝も悉皆みなおさまりて、思ひ出してさへ魂のふらつく樣な事が御座んす、とは又何ぞと問へば、身邊あたりの新聞をつきつけて、夫れ此處に、と指さすは新の字
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
愛嬌あいきやうもありなか/\大腹おほつぱらひとです、布袋和尚ほていをしやうえんがあるのは住居すまゐ悉皆みなてらです、こと彼程あれほどるまでには、跣足はだしで流れ川をわたやうあやふい事も度々たび/\ツたとさ、遊ぶ時には大袋おほぶくろひろげる事もあり
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかも口づから承知して置きながら十日とたゝぬにまうろくはなさるまじ、あれ彼の懸け硯の引出しにも、これは手つかずの分と一ト束、十か二十か悉皆みなとは言はず唯二枚にて伯父が喜び伯母が笑顏
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかも口づから承知して置きながら十日とたたぬにもうろくはなさるまじ、あれあの懸けすずりの引出しにも、これは手つかずのぶんと一ト束、十か二十か悉皆みなとは言はず唯二枚にて伯父が喜び伯母が笑顔ゑがほ
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)