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悄々
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しを/\
ふりがな文庫
“
悄々
(
しを/\
)” の例文
「えゝから
行
(
え
)
けはあ、
汝等
(
わつら
)
見
(
み
)
てえな
餓鬼奴等
(
がきめら
)
ごや/\
來
(
き
)
ちや
五月蠅
(
うるさ
)
くつて
仕
(
し
)
やうねえから」
與吉
(
よきち
)
は
悄々
(
しを/\
)
と
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は紙に包んだ紅白の餅と麥煎餅を、兩手で胸に抱いて、
悄々
(
しを/\
)
と其處を出て來たが、昇降口まで來ると、唯もう無暗に悲しくなつて、泣きたくなつて了つた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は
悄々
(
しを/\
)
と村の家に帰つて行き、学校を退くこと、将来稼業を継いで百姓をするのに別段中学を出る必要はないこと、家のものと一しよに働きたいと言つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
私は罪人のやうに深く頭を垂れながら
悄々
(
しを/\
)
と暗い夜路を清水の方へと歩いて行つた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
いづれも腰繩を附けられ、
蒼
(
あを
)
ざめた顔付して、人目を
憚
(
はゞか
)
り乍ら
悄々
(
しを/\
)
と通る。中に一人、黒の紋付羽織、白足袋
穿
(
ばき
)
、顔こそ隠して見せないが、当世風の紳士姿は直に高柳利三郎と知れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
風
(
かぜ
)
の
模樣
(
もやう
)
は……まあ
何
(
どう
)
だらうと、
此弱蟲
(
このよわむし
)
が
悄々
(
しを/\
)
と、
少々
(
せう/\
)
ぐらつく
欄干
(
らんかん
)
に
凭
(
よ
)
りかゝると、
島田
(
しまだ
)
がすつと
立
(
た
)
つて……
九月
(
くぐわつ
)
初旬
(
しよじゆん
)
でまだ
浴衣
(
ゆかた
)
だつた、
袖
(
そで
)
を
掻
(
か
)
い
込
(
こ
)
むで、
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
を
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
へさしのべた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
(
あまり
)
の事と學生は振返ツた……其の
鼻
(
はな
)
ツ
頭
(
つら
)
へ、風を
煽
(
あふ
)
ツて、
扉
(
ドアー
)
がパタンと
閉
(
しま
)
る……響は高く其處らへ響渡ツた。學生は唇を噛み
拳
(
こぶし
)
を握ツて口惜しがツたが
爲方
(
しかた
)
が無い。
悄々
(
しを/\
)
と仲間の後を追ツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
悄
漢検1級
部首:⼼
10画
々
3画
“悄”で始まる語句
悄然
悄気
悄
悄氣
悄気返
悄乎
悄沈
悄気切
悄気方
悄悄