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御髪
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おぐし
ふりがな文庫
“
御髪
(
おぐし
)” の例文
旧字:
御髮
これが他の殿方ででもあったら、奥様の
御髪
(
おぐし
)
を
掻廻
(
つかみまわ
)
して、黒
縮緬
(
ちりめん
)
の御羽織も裂けるかと思う位に、
打擲
(
ぶちたたき
)
もなさりかねない場合でしょう。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一日肩を凝らして
漸
(
ようや
)
く
其彫
(
そのほり
)
をしたも、
若
(
もし
)
や
御髪
(
おぐし
)
にさして下さらば一生に又なき名誉、
嬉
(
うれ
)
しい事と
態々
(
わざわざ
)
持参して来て見れば
他
(
よそ
)
にならぬ今のありさま
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「お部屋を片づけてね、それから奥さんの
御髪
(
おぐし
)
を
結
(
い
)
って上げたんですよ。それにしちゃ早いでしょう」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あれ、
御髪
(
おぐし
)
が乱れております。お気味が悪くも撫附けましょう。」とは、さてもさても気の着いた、しかも無類の
容色好
(
きりょうよ
)
し、ただ眼中に
凄味
(
すごみ
)
を帯びて、いうべからざる陰険の気あり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
春の
微風
(
そよかぜ
)
が頬を撫でるほどの感触も覚えさせずに、たつた五分間でさつぱりお顔をこしらへる手ツ取り早い理髪師を存じて居ます、私は——そこで、ロンバルデイの椿油で
御髪
(
おぐし
)
を綺麗に分け込んで
変装綺譚
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
白い
御髪
(
おぐし
)
を染め上げて、緑の波をうずまかせ
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
伏目勝に、細く白い手を帯の間へ差込んでおいでなさいましたから、美しい
御髪
(
おぐし
)
のかたちは
猶
(
なお
)
よく見えました。言うに言われぬ
薫
(
かおり
)
は御部屋のうちに匂い満ちておりましたのです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
御髪
(
おぐし
)
の
艶
(
つや
)
に星一ツ
晃々
(
きらきら
)
と輝くや、ふと
差覗
(
さしのぞ
)
くかとして、拝まれたまいぬ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母は
御結
(
おい
)
いよ久しぶりにと
誘
(
いざ
)
なった。
髪結
(
かみい
)
は是非御上げ遊ばせな、私始めて
御髪
(
おぐし
)
を拝見した時から
束髪
(
そくはつ
)
にしていらっしゃるのはもったいないと思っとりましたとさも
結
(
い
)
いたそうな口ぶりを見せた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
無理な
笑顔
(
えがお
)
も道理なれ明日知らぬ命の男、それを
尚
(
なお
)
も大事にして余りに
御髪
(
おぐし
)
のと
髯
(
ひげ
)
月代
(
さかやき
)
人手にさせず、
後
(
うしろ
)
に
廻
(
まわ
)
りて
元結
(
もとゆい
)
も
〆力
(
しめちから
)
なき悲しさを奥歯に
噛
(
か
)
んできり/\と見苦しからず結うて呉れたる
計
(
ばかり
)
か
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
白い
御髪
(
おぐし
)
に白い肌、月の
御顔
(
おんかお
)
雲の
眉
(
まゆ
)
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂