御供おとも)” の例文
聞て長八は成程御道理ごもつともの事なり兄樣へ一生の別れと申せば假令たとへ元日ぐわんじつであらうが大晦日おほみそかで有うが是は行ねばならず直に今より御供おとも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れいの通りおく一間ひとまにて先生及び夫人と鼎坐ていざし、寒暄かんけん挨拶あいさつおわりて先生先ず口を開き、このあいだ、十六歳の時咸臨丸かんりんまるにて御供おともしたる人きたりて夕方まではなしましたと、夫人にむかわれ
れから私は桂川にたのんで、如何どうかして木村さんの御供おともをして亜米利加に行きたいが紹介して下さることは出来まいかと懇願して、桂川の手紙をもらって木村の家に行てその願意を述べた所が
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
巻紙を買う御供おともまでして彼を自分のへやへ連れ込んだのはこれがためである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがし祖父そふ興津右兵衛景通おきつうひょうえかげみちもうしそろ永正えいしょう十一(十七)年駿河国するがのくに興津おきつに生れ、今川治部大輔いまがわじぶたいふ殿に仕え、同国清見きよみせきに住居いたし候。永禄えいろく三年五月二十日今川殿陣亡じんぼう遊ばされそろ時、景通かげみち御供おともいたし候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「それでは一つ、書斎の方へ御供おともいたしましょう。」
るときに三使節中の一人が便所に行く、家来がボンボリをもっ御供おともをして、便所の二重の戸を明放あけはなしにして、殿様が奥の方で日本流に用を達すその間、家来ははかま着用ちゃくよう、殿様の御腰おこしの物を持て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「ありがたい仕合せだ。まるで御供おとものようだね」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
以て追駈おひかけましたる時に參りしが其節加役方の笠原粂之進樣の御供おとも突當つきあたすぐに御召捕に相成候と申ければ越前守殿いや幾日頃いつかごろに文右衞門方へ言懸りに參りしぞと有に久兵衞はぬからぬかほにて恐れながら云懸りには參りませんと云しかば大岡殿默止だまれ久兵衞なんぢしかとせし證據もなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)