“御供水”の読み方と例文
読み方割合
おそなへみづ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
流石に巡査の目をはばかつて、日が暮れるのを待つて御供水おそなへみづを貰ひに来る嬶共かかあどもは、有乎無乎なけなしの小袋を引敝ひつぱたいて葡萄酒を買つて来る様になつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
又一人、又一人、遂にいまはしきやまひが全村に蔓延した。恐しい不安は、常でさへ巫女いたこを信じ狐を信ずる住民ひとびとの迷信をあふり立てた。御供水おそなへみづは酒屋の酒の様に需要が多くなつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時偶ときたま近所へ夜話に招ばれる事があれば、役目の説教はなしもする。それが又、奈何どうでも可いと言つた調子だ。或時、痩馬喰やせばくらうかかあが、小供が腹を病んでるからと言つて、御供水おそなへみづを貰ひに来た。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)