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廉潔
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れんけつ
ふりがな文庫
“
廉潔
(
れんけつ
)” の例文
江戸時代の武家は、
悉
(
こと/″\
)
く武藝が出來て、剛直で、
廉潔
(
れんけつ
)
で、庶民の
龜鑑
(
かゞみ
)
になるものばかりであつたと思つたら、それは大變な間違ひです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
生きて立つ名分があろう。——気を小さく持てば、腹を掻っ切って自己の
廉潔
(
れんけつ
)
を示す道一つが残されているだけである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
部下の諸将がつぎつぎに
爵位
(
しゃくい
)
封侯
(
ほうこう
)
を得て行くのに、
廉潔
(
れんけつ
)
な将軍だけは封侯はおろか、終始変わらぬ
清貧
(
せいひん
)
に甘んじなければならなかった。最後に彼は大将軍
衛青
(
えいせい
)
と衝突した。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
アウエリヤヌヰチはドクトルの
廉潔
(
れんけつ
)
で、
正直
(
しやうぢき
)
で
有
(
あ
)
るのは
豫
(
かね
)
ても
知
(
し
)
つてゐたが、
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れにしても、二萬
圓
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
は
確
(
たしか
)
に
所有
(
もつ
)
てゐることゝのみ
思
(
おも
)
ふてゐたのに、
恁
(
か
)
くと
聞
(
き
)
いては
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
藩にて
廉潔
(
れんけつ
)
の役人と称し、
賄賂
(
わいろ
)
役徳をば一切取らずとて、人もこれを信じ
自
(
みず
)
からこれを許す者あれども、町人がこの役人へ
安利
(
やすり
)
にて金を貸し、または
態
(
わざ
)
と
高利
(
こうり
)
にてその金を預り
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
お政如き愚痴無知の婦人に
持長
(
もちちょう
)
じられると云ッて、
我程
(
おれほど
)
働き者はないと
自惚
(
うぬぼれ
)
てしまい、しかも
廉潔
(
れんけつ
)
な心から文三が手を下げて頼まぬと云えば、
嫉
(
ねた
)
み
妬
(
そね
)
みから負惜しみをすると
臆測
(
おくそく
)
を
逞
(
たくましゅ
)
うして
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
といえば、もちろん弱いという意味にも用いらるるが、またしばしば
柔和
(
にゅうわ
)
で従順で
廉潔
(
れんけつ
)
なるの意を含ませて
使
(
つか
)
わるることもある。漢字を見ても好(このむ)、妥(しずか)などは善い意味である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
意義なき体面に
累
(
わずら
)
わされ、虚名のために
齷齪
(
あくせく
)
しているのに比して、裏長屋に棲息している貧民の生活が遥に
廉潔
(
れんけつ
)
で、また自由である事をよろこび、病余失意の一生をここに隠してしまったのである。
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
アウエリヤヌイチはドクトルの
廉潔
(
れんけつ
)
で、
正直
(
しょうじき
)
であるのは
予
(
かね
)
ても
知
(
し
)
っていたが、しかしそれにしても、二万
円
(
えん
)
位
(
ぐらい
)
は
確
(
たしか
)
に
所有
(
もっ
)
ていることとのみ
思
(
おも
)
うていたのに、かくと
聞
(
き
)
いては
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
廉
常用漢字
中学
部首:⼴
13画
潔
常用漢字
小5
部首:⽔
15画
“廉”で始まる語句
廉
廉子
廉恥
廉々
廉物
廉価
廉直
廉立
廉耻
廉州