常磐ときは)” の例文
が女二人ふたり竝べたてまつれるゆゑは、石長比賣を使はしては、天つ神の御子のみいのちは、雪り風吹くとも、恆にいはの如く、常磐ときは堅磐かきはに動きなくましまさむ。
当時夫婦間の関係をすゐするに、徳川氏時代の如く厳格なるべきものにあらず、袈裟の如き堅貞の烈女、実際にありしものなりや否やを知らず、常磐ときはの如き
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
明進軒めいしんけん島金しまきん飛上とびあがつて常磐ときは(はこがはひる)とところを、奴等やつら近頃ちかごろ景氣けいきでは——蛉鍋はまなべと……あたりがついた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むかし徳川の八代将軍の頃和蘭オランダ人が象を連れて来た。誰よりも先きに将軍家に御覧に入れなくつちやといふので、象は引張られて常磐ときは橋からお城にらうとした。
むかしは土手の平松ひらまつとか云つた料理屋の跡を、そのまゝの牛肉屋常磐ときはの門前から斜に堤を下り、やがて真直に浅草公園の十二階下に出る千束町二三丁目の通りである。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
延喜式祈年祭・六月月次つきなみ祭などの祝詞のりとに、「皇孫命すめみまのみことの御世を手長の御世と堅磐かきは常磐ときはいはひ奉る」
手長と足長:土蜘蛛研究 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
其建物そのたてものをいへば松田まつだ寿仙じゆせん跡也あとなり常磐ときは萬梅まんばい跡也あとなり今この両家りやうけにんまへ四十五銭と呼び、五十銭と呼びて、ペンキぬり競争きやうそう硝子張がらすはり競争きやうそうのきランプ競争きやうそう火花ひばならし候由そろよしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
たま常磐ときはにしたしまむ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
常磐ときはみどり葉をかさね
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)