トップ
>
川床
>
かわどこ
ふりがな文庫
“
川床
(
かわどこ
)” の例文
けれどこの川は、はばがせまいかわりに、赤土の
川床
(
かわどこ
)
が深くえぐられていて、つめたい色にすんだ水が、かなり深くたたえられている。
川
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
去年の秋、上流の濁川が荒れて、このあたりの
川床
(
かわどこ
)
もだいぶ変った。そのために河鹿も少ないのかもしれない、と宿の者は云った。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ずいぶん
上流
(
じょうりゅう
)
まで行った。
実際
(
じっさい
)
こんなに
川床
(
かわどこ
)
が
平
(
たい
)
らで水もきれいだし山の中の
第一流
(
だいいちりゅう
)
の
道路
(
どうろ
)
だ。どこまでものぼりたいのはあたりまえだ。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ようよう近寄って来る夏の
温
(
あたた
)
かさが、両岸の土からも、
川床
(
かわどこ
)
の土からも、もやになって立ちのぼるかと思われる
夜
(
よ
)
であった。
高瀬舟
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
戦線は瀬田川の
川床
(
かわどこ
)
だった。
上流
(
かみ
)
は石山寺辺りから湖水口へかけてまで、折々にわあッと
喊声
(
かんせい
)
をあげている。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
川床
(
かわどこ
)
の石をめくっては、まだ一度もとれたことのない鰻をさがしているのだが、出てくるのは
蟹
(
かに
)
ばかりである。それでもけっこうおもしろいらしく、漁師も見物もふえるばかりだった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
川床
(
かわどこ
)
は岩や小石で、ところどころに深みをつくり、そこには柳や杉などが岸にしげり、また
浅瀬
(
あさせ
)
となり、そこにはこまかい砂で、
芹
(
せり
)
や
藻
(
も
)
などの水草がはえて、小さな魚がおよいでいました。
山の別荘の少年
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
すると、普通の町ならまず往来に当る所が、一面の
川床
(
かわどこ
)
で、青い水が岩に
打
(
ぶ
)
つかりながらその中を流れているのです。だから歩くと云っても、歩きたいだけ歩く余地は無論ありませんでした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
国をあげて、外敵にそなえた日の
防柵
(
ぼうさく
)
や石垣や
乱杭
(
らんぐい
)
の
腐木
(
ふぼく
)
などが、今も
川床
(
かわどこ
)
や草の根に見あたらなくはない。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五年生の教室は川っぷちに新らしく
建
(
た
)
った校舎のとっつきであった。川にむかった窓からのぞくと、
衽
(
おくみ
)
のような形の、せまい三角地をはさんで、高い
石垣
(
いしがき
)
は
川床
(
かわどこ
)
まで直角に築かれていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
零落した馬車は容赦なく
鳴動
(
めいどう
)
してその上を通るのだから、
凸凹
(
でこぼこ
)
の多い
川床
(
かわどこ
)
を渡るよりも危険である。
二百三高地
(
にひゃくさんこうち
)
へ行く途中などでは、とうとうこの火打石に降参して、馬車から下りてしまった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ほどなく、狂った
舳
(
みよし
)
が、
川床
(
かわどこ
)
を噛んで、止まった。——とたんに、二、三名は、先へ
陸
(
おか
)
へ飛び上がって行った。が、すぐ引っ返して来るなり、ほかの同志へ
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
向こうがわには、
緋
(
ひ
)
おどし谷の
部落
(
ぶらく
)
をながめ、だれか
渓流
(
けいりゅう
)
にくるのを待っていると、やがて二、三人の少女が
染桶
(
そめおけ
)
と糸のたばをかかえて、あかるい笑いをかわしながら、
川床
(
かわどこ
)
へ
下
(
お
)
りてきたようす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“川床(納涼床)”の解説
納涼床(のうりょうゆか、のうりょうどこ)、あるいは川床(大阪北浜では「かわゆか」、京都鴨川では「ゆか」、貴船、高雄では「かわどこ」と読むのが一般的)は京都や大阪の夏の風物詩の一つである。料理店や茶屋が川の上や、屋外で川のよく見える位置に座敷を作り、料理を提供する。
5月ごろから9月ごろまで、京都の鴨川、貴船、高雄、鷹峯などで楽しむことができる。
(出典:Wikipedia)
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
床
常用漢字
中学
部首:⼴
7画
“川”で始まる語句
川
川面
川柳
川上
川岸
川下
川原
川越
川端
川辺