“巖間(いはま)” の例文
新字:巌間
蟲(むし)のやうだと言(い)つたが、あゝ、一層(いつそ)、くづれた壁(かべ)に潛(ひそ)んだ、波(なみ)の巖間(いはま)の貝(かひ)に似(に)て居(ゐ)る。——此(これ)を思(おも)ふと、大(おほい)なる都(みやこ)の上(うへ)を、手(て)を振(ふ)つて立(た)つて歩行(ある)いた人間(にんげん)は大膽(だいたん)だ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
おほみそかは大薩摩(おほざつま)の、もの凄(すご)くも又(また)可恐(おそろ)しき、荒海(あらうみ)の暗闇(やみ)のあやかしより、山寺(やまでら)の額(がく)の魍魎(まうりやう)に至(いた)るまで、霙(みぞれ)を錬(ね)つて氷(こほり)を鑄(い)つゝ、年(とし)の瀬(せ)に楯(たて)を支(つ)くと雖(いへど)も、巖間(いはま)の水(みづ)は囁(さゝや)きて、川端(かはばた)の辻占(つじうら)に
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)