小作米こさくまい)” の例文
しか方法はうはふもないのでかれ地主ぢぬし哀訴あいそして小作米こさくまい半分はんぶんつぎあきまでしてもらつた。地主ぢぬし東隣ひがしどなり舊主人きうしゆじんであつたのでそれも承諾しようだくされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と、ある日、おとうさんは背中せなかをたたきながら、地主じぬしの長者屋敷やしきへ納める小作米こさくまいたわらを、せっせとくらにつけていました。
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
寺の庫裡くりの入り口の広場にも小作米こさくまいがだんだん持ち込まれる。豊年でもなんとか理屈をつけてはかりを負けてもらう算段に腐心ふしんするのが小作人の習いであった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
平民が、学塾を開いて生徒を教え、地面を所有して地代小作米こさくまいを取立つるは、これを何と称すべきや。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しょうは、地主じぬしとはなっても、けっして、たか小作米こさくまいることはなかったのです。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
勘次かんじはおしな葬式さうしきむとすぐあたらしいたはられた小作米こさくまい地主ぢぬしはこんでかねばらぬとそれがこゝろくるしめてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじ依然いぜんとしてくるしい生活せいくわつそとに一のがることが出來できないでる。おしなんだとき理由わけをいうてりた小作米こさくまいとゞこほりもまだ一つぶかへしてない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)