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たいわ
そこで
自分は『
對話』といふことに
就て
考へ
初めた、
大袈裟に
言へば『
對話哲學』
又たの
名を『お
喋舌哲學』に
就て。
と、
話し
聞かせてゐる
内に、
夫の
頭の
中には二三
日前の
妻との
對話が
不意に
思ひ
浮んで
來た。
夫は
我知らず
苦笑した。
A
待てよ。
此の
對話は『
中外』に
載せるんだから、そんな
話は
少し
遠慮して
置かうよ。それよりかモツト
葉書に
關する
無邪氣な
面白い
話でもないかい。
それでも
時々は、
先方の
樣子を、
小六と
兄の
對話から
聞き
込む
事もあつた。一
週間程前に、
小六は
兄に、
安之助がまた
新發明の
應用に
苦心してゐる
話をした。