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子爵
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ししゃく
ふりがな文庫
“
子爵
(
ししゃく
)” の例文
彼処に、林
子爵
(
ししゃく
)
が持っていた別荘を、此春譲って貰ったのだが、此夏
美奈子
(
みなこ
)
が避暑に行った
丈
(
だけ
)
で、
俺
(
わし
)
はまだ二三度しか
宿
(
とま
)
っていないのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
披露
(
ひろう
)
は帝国ホテルで行うこと、御牧側では、
子爵
(
ししゃく
)
は老体のことであるから、
嗣子
(
しし
)
の正広夫妻が代理を勤めるであろうこと、等々の話をした。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この町は、
子爵
(
ししゃく
)
の
方
(
ほう
)
の
前田家
(
まえだけ
)
の旧城下町であって、その頃の小学校は旧藩主のもとの屋敷をそのまま使ったものであった。
簪を挿した蛇
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それにも
係
(
かかわ
)
らず、この室にどこからか赤外線を当て、それを赤外線の活動写真に撮影したのだった。そして人物は
子爵
(
ししゃく
)
夫人黒河内京子と青年潮十吉!
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先夫の家は
子爵
(
ししゃく
)
で、別に資産はなかったが、とにかく旧華族の家柄なので、世間の耳目を
憚
(
はばか
)
り親族は夫の帰朝を待たず多病といいなして鶴子を離別した。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
連中には新聞記者も
交
(
まじ
)
ったり、文学者、美術家、彫刻家、音楽家、——またそうした
商人
(
あきんど
)
もあり、久しく美学を研究して、近頃欧洲から帰朝した、
子爵
(
ししゃく
)
が一人。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なにがし
子爵
(
ししゃく
)
夫人ともいいそうなりっぱな貴婦人が、可愛らしい洋服姿の子供を三四人つれてそこから出て来て、
嬉々
(
きき
)
として馬車に乗ると、御者は
鞭
(
むち
)
を一
当
(
あて
)
あてて、あとに白い
埃
(
ほこり
)
を立てて
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
古風作者
(
こふうさくしゃ
)
の
書
(
かき
)
そうな話し、
味噌越
(
みそこし
)
提げて買物あるきせしあのお
辰
(
たつ
)
が雲の
上人
(
うえびと
)
岩沼
(
いわぬま
)
子爵
(
ししゃく
)
様
(
さま
)
の
愛娘
(
まなむすめ
)
と
聞
(
きい
)
て吉兵衛仰天し、
扨
(
さて
)
こそ神も仏も御座る世じゃ、因果
覿面
(
てきめん
)
地ならしのよい所に
蘿蔔
(
だいこ
)
は太りて
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
子爵
(
ししゃく
)
二川重明
(
ふたがわしげあき
)
が、
乗鞍岳
(
のりくらたけ
)
の飛騨側の頂上近い数百町歩の土地を買占めただけなら
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、そこの
大雪渓
(
だいせっけい
)
を人夫数十人を使って掘り始めたというのだからニュース・ヴァリュ百パーセントである。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
駿豆
(
すんず
)
鉄道の沿線に河田
子爵
(
ししゃく
)
の別荘が売り物に出ている、家は高台で見晴しがよく、畑も百坪ばかりある、あのあたりは梅の名所で、冬暖かく夏涼しく、住めばきっと、お気に召すところと思う
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
わしは
大牟田敏清
(
おおむたとしきよ
)
というものだ。とっくに礼遇を停止されているけれど、お上から
子爵
(
ししゃく
)
の爵位まで頂いておった身分だ。それが、アア、皆さん大きな声で笑って下さい。わしは子爵の人殺しなのだ。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私
此
(
この
)
時計に心覚えがございますの。持主の方も存じておりますの。お名前は、
一寸
(
ちょっと
)
申上げ兼ますが、ある
子爵
(
ししゃく
)
の令嬢でいらっしゃいますわ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と云うのは、あなた方も名前は御存知であろうが、維新の際に功労のあった
公卿
(
くげ
)
華族で
御牧
(
みまき
)
と云う
子爵
(
ししゃく
)
がある。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
黒河内尚網
(
くろこうちひさあみ
)
という
是
(
こ
)
れでも
子爵
(
ししゃく
)
なのですよ。伯母の子爵夫人というのは、京子といいました」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
父から、杉野
子爵
(
ししゃく
)
の来訪が、縁談の
為
(
ため
)
であると、聞かされると、
瑠璃子
(
るりこ
)
は電火にでも、打たれたように、ハッと
駭
(
おどろ
)
いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
或る夜
嵯峨
(
さが
)
の
子爵
(
ししゃく
)
邸から電話で、昨日東京から此方へ着き、二三日滞在しているつもりであるが、一遍御主人御在宅の折に参上したいと云って来たので、夕刻からなら
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“子爵”の意味
《名詞》
子爵(ししゃく)
貴族の爵位のひとつ、男爵の上位、伯爵の下位で、日本の華族令では第4位に当たる。
(出典:Wiktionary)
“子爵”の解説
子爵(ししゃく、en: Viscount ˈvaɪkaʊnt)は、近代日本で用いられた爵位(五爵)の第4位。伯爵の下位、男爵の上位に相当する新村出および松村明参照。。ヨーロッパ諸国の貴族の爵位の日本語訳に使われる。
(出典:Wikipedia)
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
爵
常用漢字
中学
部首:⽖
17画
“子爵”で始まる語句
子爵夫人
子爵閣下