天工てんこう)” の例文
ちはやぶる神の昔、大山おおやまつみのなせるわざにや。造化ぞうか天工てんこう、いずれの人か筆をふることばを尽さん、云々うんぬん
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
さればがう屋敷田畝やしきたんぼ市民しみんのために天工てんこう公園こうゑんなれども、隱然いんぜんおう)が支配しはいするところとなりて、なほもち黴菌かびあるごとく、薔薇しやうびとげあるごとく、渠等かれらきよほしいまゝにするあひだ
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
急峻きゅうしゅんで、大樹たいじゅ岩層がんそうが、天工てんこうをきわめているから、岳中がくちゅう自然しぜん瀑布ばくふ渓流けいりゅうがおおい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
双六すごろくたしかにあり。天工てんこう奇蹟きせきゆゑに、四五六しごろくまた双六谷すごろくだに其処そことなへ、温泉をんせんこえに、双六すごろくはするが、たにきはめて、盤石ばんじやくたものはむかしからだれい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)