)” の例文
「それ、幹が太くつてさ。色はちよつと紅みがかつた紫いろで、……バカにかい奴さ。はうき茸つて云ふ人もある。」
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
太「あの野郎なんでも口の先で他人ひとだまして銭をかりる事は上手だが、けえ声では云えねえが、此処こゝな甚藏は蝮野郎まむしやろうでよくねえおっかねえ野郎でのう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「女のほかは何でもある。女だけはさう生簀に生かして置くわけにゆかねえ、女は鮒とちがつてかいからな。」
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「おめさまの留守にな、この子の奴が縁側から這いずり落ちて、コレまあこんなかいこぶをこしれえただよ!」
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
そうでやすな、一口にいったら……途方もなくはらかい……日本人にゃ珍しい肚の大きな方でござんすな。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
もう一度チヤツプリンを引き合いに出すが、「黄金狂」で、チヤツプリンは片方の靴を燃やしてしまつたので、藁か布切れかでトテモツかく足を包んでいた。
北海道の「俊寛」 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
はあ、そりゃけえ、一ツきゅう他国たこくにはねえ灸ですから、目印めじるしといえば、そんなもンぐらいでございます
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
図体ずうてえけえやつはこんなもんだ——といいたげに、藤吉の皮肉な苦笑が彦兵衛をふり返ったが、この藤吉のまぐれ当りの誇りどころか、彦兵衛は、われを忘れたように
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ここら奥の谿河たにがわだけれど、ずっと川下かわしもで、東海道の大井川おおいがわよりかいという、長柄ながら川の鉄橋な、お前様。川むかいの駅へ行った県庁づとめの旦那どのが、終汽車しまいぎしゃに帰らぬわ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けえ榛の木があった筈だが、あれはりやしたかえ。」と問うた。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんだ大丈夫でさ、見てさツせ、いまかいのがとれるからと
利根川の一夜 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「なに、あの僕位のっかいのかい」と、少年は聞き返した。
女工さんの腹ば手当り次第にッかくして歩いても、そんだら黙ってるんだとよ。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
ッ……。やたらに、けえ声を出すな。眼をさますぞ」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)