大蛇だいじや)” の例文
大蛇だいじやなどが出て来て頭の禿げた猟人かりうどむところをやると、児童らは大ごゑをあげて、アア! などといふのでひどく愉快である。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
在所の年寄仲間は、御坊さんのうら竹林たけばやしなかにあるぬまぬし、なんでもむかし願泉寺の開基が真言のちからふうじて置かれたと云ふ大蛇だいじやたヽらねば善いが。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
心持こゝろもち余程よほど大蛇だいじやおもつた、三じやく、四しやく、五しやく、四はう、一ぢやう段々だん/″\くさうごくのがひろがつて、かたへたにへ一文字もんじさツなびいた、はてみねやまも一せいゆるいだ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのとき一人の皇子がどうしたものでしたか、おそばの者と別れて、独りで逃げ迷つていらつしやいました。風にあふられた火は大蛇だいじやの舌のやうにペロリ/\とお軒先をめてまゐります。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
わがする幅広はゞびろの帯こそ大蛇だいじやなれ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
うろこひかつても、それ大蛇だいじやでも、しづかなあめでは雷光いなびかり憂慮きづかひはない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)