大望たいまう)” の例文
なか座で「久米平内くめのへいない」劇を演じてゐる実川じつかは延若に、この頃一つの大望たいまうがある、それは中村吉蔵氏の脚本「小山田庄左衛門」を一度舞台にのぼしてみたいといふ事だ。
物語ものがたりしかば寶澤が十二歳の時かの婆を縊殺しめころし其二品をうばひ取大望たいまうさまたげなればとて師匠感應院をも毒殺どくさつし其身は諸國修行しよこくしゆぎやういつはり平野村を發足ほつそくし其翌日加田浦かだのうらにて白犬を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくし櫻木君さくらぎくん大望たいまうをばよくつてります。また、かれが、ひとらないこの印度洋インドやうちういつ孤島こたうに、三十有餘名いうよめい水兵すいへいともに、ひそめて次第しだいをもよくぞんじてります。
進みあつぱれなる山内先生の御眼力がんりき恐入たり左樣にほしさして仰らるゝ上はつゝかくすにえきなし此上は有體ありていに申べし實に斯樣かやうなりと大望たいまうを企てし一始終しじうおちなく物がたり此上は何卒なにとぞ先生の知略ちりやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
慶安太平記の由井正雪が大望たいまうを企てた時、その一味徒党には浪人ものが多かつた。これは当時の法度はつととして養子といふものを禁じた結果として、甚六でない二男三男四男五男……が有り余つた。
埋め何知ぬ體に居間へ立戻たちもどり居る所へ三人も歸來り首尾しゆびよく地獄谷へ突落せし體を告囁つげさゝやけば天忠は點頭うなづきて拙僧も各々の留主に斯樣々々にはからひたれば最早心懸こゝろがかりはなしさればとて大望たいまう密談みつだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今度の総選挙に堺市から打つて出た大井卜新氏は数多い議員のなかで、たつた一人しか持てない大望たいまうを抱いてゐる。大望といふのはほかでもない、当選したら議員の最年長者として迎へられようといふのだ。