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囃子
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ばやし
ふりがな文庫
“
囃子
(
ばやし
)” の例文
ともあれ、正月も過ぎてその時、村の祭りでも近づいていたのか? 遥かの麓からあまり上手でもない馬鹿
囃子
(
ばやし
)
の笛が聞えてきた。
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
地方の民が、大蔵省へ馬で
貢税
(
みつぎ
)
を運び入れながら唄った国々の歌が
催馬楽
(
さいばら
)
となったといわれるが、田楽ももとは農土行事の田植え
囃子
(
ばやし
)
だった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
床
(
ゆか
)
しいお家流で「お
雛様
(
ひなさま
)
」だとか「五人
囃子
(
ばやし
)
」だとか「三人
上戸
(
じょうご
)
」だとか、書き
記
(
しる
)
してある、雛人形の箱でございました。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
末子も大きくなって、もう
雛
(
ひな
)
いじりでもあるまいというところから、茶の間の床には古い小さな雛と五人
囃子
(
ばやし
)
なぞをしるしばかりに飾ってあった。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
蔵の二階に上ってみたら、父は検査場の方から
祭
(
まつ
)
り
囃子
(
ばやし
)
の聞えてくる窓べにもたれて、背なかをまるくして、口三味線で小声になにやら唄っていた。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
お雛様を飾った時、……五人
囃子
(
ばやし
)
を、毬にくッつけて、ぽんぽんぽん、ころん、くるくるなんだもの。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
更に眼を定めてよく見ると
内裏様
(
だいりさま
)
もあれば、
官女
(
かんじょ
)
もあり、五人
囃子
(
ばやし
)
もあり、
衛士
(
えじ
)
もあり、小町姫もあり、また雛道具としては
箪笥
(
たんす
)
、両替、膳、鏡台、ボンボリ、
屏風
(
びょうぶ
)
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
幕のかげから見える頭数は五十人もいるかと思われる。橋をくぐる前までは、二梃三味線で、「梅にも春」か何かを弾いていたが、それがすむと、急に、ちゃんぎりを入れた馬鹿
囃子
(
ばやし
)
が始まった。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あつしはまた一生懸命叩きましたよ、馬鹿
囃子
(
ばやし
)
か何んかで」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
祭り
囃子
(
ばやし
)
の一組が、それに交じって、景気をつけた。馬の鈴までがすばらしくりんりんと今朝はよく鳴るのだ。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御厨子
(
みずし
)
の前は、縦に二十間がほど、五壇に組んで、
紅
(
くれない
)
の
袴
(
はかま
)
、
白衣
(
びゃくえ
)
の官女、
烏帽子
(
えぼし
)
、
素袍
(
すおう
)
の五人
囃子
(
ばやし
)
のないばかり、きらびやかなる調度を、黒棚よりして、
膳部
(
ぜんぶ
)
、
轅
(
ながえ
)
の車まで、
金高蒔絵
(
きんたかまきえ
)
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さっきは
湯立神楽
(
ゆだてかぐら
)
の静かな鈴楽でしたが、今は序破急な大太鼓のとどろきに
鎌倉舞
(
かまくらまい
)
の笛
囃子
(
ばやし
)
がいとおかしげに
交
(
ま
)
じって、楽天的な神代の明るさが山にあふれるかと思われるようです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子供の
中
(
うち
)
悪戯
(
いたずら
)
をして叱られると、内を
駈出
(
かけだ
)
して、近所の馬鹿
囃子
(
ばやし
)
の中へ紛込んで、チャチャチャッチキチッチッと躍っていると、
追駈
(
おっか
)
けて来た者が分らないで黙って
見遁
(
みのが
)
しては帰ったが
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
根は百姓、
御府外
(
ごふがい
)
多摩郡
(
たまごおり
)
阿佐
(
あさ
)
ヶ谷村の産でして、
業
(
ぎょう
)
とするところは練馬大根の耕作にありますが、いわゆる武蔵野名物は
草神楽
(
くさかぐら
)
、阿佐ヶ谷
囃子
(
ばやし
)
のおはやしの一人でして、柄にもなく笛が上手。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小稲、小幾、重子など、狂言
囃子
(
ばやし
)
の女ども、楽屋口より出で
来
(
きた
)
りて、はらりと舞台に立ちならべる、大方あかり消したれば、手に手に白と赤との
小提灯
(
こぢょうちん
)
、「て」「り」「は」と書けるを
提
(
ひっさ
)
げたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なんだろう、あの無遠慮な、浮かれ
囃子
(
ばやし
)
は」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
首斬り
囃子
(
ばやし
)
、街を
練
(
ね
)
る事。並びに
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「けだもの
囃子
(
ばやし
)
。けだもの囃子」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳴門音頭、そこぬけ
囃子
(
ばやし
)
。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
散所
囃子
(
ばやし
)
——
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けだもの
囃子
(
ばやし
)
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うかれ
囃子
(
ばやし
)
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“囃子”の解説
囃子(はやし)は、四拍子(笛、大鼓、小鼓、太鼓)でもって、謡や能をはやしたてること。
謡に舞人なしで四拍子のみを用いるものを番囃子といい、舞う部分に舞人なしで行う番囃子を居囃子という。ある部分に所作や舞いを加えたものを舞囃子という。
囃子にはほかに、祭で使われる祭囃子、寄席や落語において使われる寄席囃子、長唄舞台のにて使われる囃子がある。楽器の構成は能の囃子とは異なるものもある。
(出典:Wikipedia)
囃
漢検1級
部首:⼝
21画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“囃子”で始まる語句
囃子方
囃子屋台
囃子手
囃子町