トップ
>
嚼
>
か
ふりがな文庫
“
嚼
(
か
)” の例文
またロンゴバルディの齒、聖なる寺院を
嚼
(
か
)
みしとき、この物の翼の下にて勝ちつゝ、カルロ・マーニオこれを救へり 九四—九六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
是も或る植物の根を女に
嚼
(
か
)
ませて、木の器の中へ吐き出させたものを、
後
(
のち
)
に彼女らも参加して共々に廻り飲みしたのであった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ソラ来たぞ何だか堅いものが。これは
照
(
てり
)
ゴマメだ。石のようにコチコチしている。歯太郎さんが
嚼
(
か
)
まないと見えて魚の形がそっくりしている。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「今の若さで、そう薬ばかり飲んでるようじゃ心細いね。うまいものも歯で
嚼
(
か
)
んで食うようじゃ、とても駄目だよ。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
禅では「
生鉄
(
しょうてつ
)
を
嚼
(
か
)
む」と言いまして、長い間生の鉄を噛んでいると、遂には噛みこなしてしまうというのです。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
我は泣かまほしきに笑ひ、唾せんと欲して
却
(
かへ
)
りて首を屈し、耳を傾けて俗士婦女の蝋を
嚼
(
か
)
むが如き話説を聽かざるべからず。
所謂
(
いはゆる
)
教育は果して我に何物をか與へし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
また大学にては法科の講筵をよそにして、歴史文学に心を寄せ、ようやく
蔗
(
しょ
)
を
嚼
(
か
)
む境に
入
(
い
)
りぬ。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
又蟇石と称する宝石は
蜘蛛
(
くも
)
やその他毒性の動物に
嚼
(
か
)
まれたとき、その疼痛を消すと伝へられて居る。
然
(
しか
)
し
現今
(
げんこん
)
でもさうであるが
蛋白石
(
たんぱくせき
)
は昔から婦人は
之
(
これ
)
を
懸
(
か
)
けることを嫌つて居る。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
だから彼自身は、ただもぐもぐと
嚼
(
か
)
んで
嚥
(
の
)
みこむだけの手間しか要らなかつた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
大黄蜂
(
おおきばち
)
も同様だ。それ等の大きな赤ばんだ蜂は、一インチ位の長さがあつて、その蜂共は時としては果樹園の梨を
嚼
(
か
)
む事がある。お前達は一般に此の大黄蜂に気をつけなければならないのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
ただ詩人と
画客
(
がかく
)
なるものあって、
飽
(
あ
)
くまでこの
待対
(
たいたい
)
世界の精華を
嚼
(
か
)
んで、
徹骨徹髄
(
てっこつてつずい
)
の清きを知る。
霞
(
かすみ
)
を
餐
(
さん
)
し、露を
嚥
(
の
)
み、
紫
(
し
)
を
品
(
ひん
)
し、
紅
(
こう
)
を
評
(
ひょう
)
して、死に至って悔いぬ。彼らの楽は物に
着
(
ちゃく
)
するのではない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし何の食物でも衛生的に食べるという習慣を養わなければなりません。即ちよく
嚼
(
か
)
み
砕
(
くだ
)
いて胃中へ送るという習慣です。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
又大學にては法科の講筵を餘所にして、歴史文學に心を寄せ、漸く蔗を
嚼
(
か
)
む境に入りぬ。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
神を
祀
(
まつ
)
るための酒だけは、なお若い
綺麗
(
きれい
)
な娘たちによく歯を清めさせ、米を
嚼
(
か
)
んでは器の中に吐き出させて、それを
蓋
(
ふた
)
しておいて
醗酵
(
はっこう
)
させたものが用いられており、カミザケという語も残っていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
我邦の人は折々君のように何でも硬い物の方が
嚼
(
か
)
みしめて味があるというけれどもそれは野蛮風の
食方
(
たべかた
)
で、西洋人は舌で
味
(
あじわ
)
うから柔くって美味いものを
貴
(
たっと
)
ぶ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
又大学にては法科の講筵を
余所
(
よそ
)
にして、歴史文学に心を寄せ、漸く
蔗
(
しよ
)
を
嚼
(
か
)
む境に入りぬ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
指の入る位な湯で
鶏卵
(
たまご
)
を三十分も
湯煮
(
ゆで
)
て白味と黄身の半熟になったものとか、柔い飯をよく
嚼
(
か
)
んで食べるとか、牛乳が飲みたければパンへ浸して食べるとかし給え。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
嚼
漢検1級
部首:⼝
21画
“嚼”を含む語句
咀嚼
飯嚼
嚼足
倒嚼
反嚼
咀嚼物
咀嚼胃
嚼母
嚼鬼
生嚼
米嚼
齟嚼