よばは)” の例文
さつしやるな小聲こごゑでもわかります先當時の役頭やくがしらを盜賊よばはたしかな證據なくては云れぬ事段々だん/\きくに九助が親類と私等わしらが名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人の盗賊ぬすびとと相並んで死に就くまでの悲壮を尽した詩——『耶蘇イエスまた大声によばはりて息絶たり。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
成程なるほど猿の方は、かやうに間もなく、皆のものに可愛がられるやうになりましたが、肝腎かんじんの良秀はやはり誰にでも嫌はれて、相不変あひかはらず陰へまはつては、猿秀よばはりをされて居りました。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
するのみなり時に半四郎は大音だいおんあげ盜人どろばう這入はひりしぞや家内の者共起給おきたまへ/\とよばはるにぞ夫れと云つゝ亭主は勿論もちろん飯焚めしたき下男迄一同に騷ぎたち盜人は何處いづくへ這入しと六尺棒或ひは麺棒めんぼう又ははゝき摺子木すりこぎなど得物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
召捕めしとり來りし村井長庵高手小手にいましめられ砂利じやりに居づくまる時に越前守殿出座しゆつざありて村井長庵とよばはるゝ時長庵ハツと答へければ越前守殿尋問たづねらるゝ樣其方儀さんぬる寶永七年八月廿八日の未明みめいに芝札の辻にて其方弟十兵衞横死わうしせつきたの役所へ差出したる口書の儀何としたゝめたるや覺えあらば申立べしとの事により長庵は驚きしが少しも其色を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)