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かせい
ふりがな文庫
“
呵成
(
かせい
)” の例文
「
折柄
(
おりから
)
時分どきでござろう——」と、戸田老人は陽を仰いだ、「このあたりで昼食をしたため、あとは
即
(
すなわ
)
ち一気
呵成
(
かせい
)
とまいろうか」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
此歌萬葉時代に流行せる一氣
呵成
(
かせい
)
の調にて少しも野卑なる處は無く字句もしまり居り候へども全體の上より見れば上三句は
贅物
(
ぜいぶつ
)
に屬し候。
歌よみに与ふる書
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
其代り
筆
(
ふで
)
が
些
(
ちつ
)
とも滞つてゐない。殆んど一気
呵成
(
かせい
)
に
仕上
(
しあげ
)
た趣がある。
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
の
下
(
した
)
に鉛筆の輪廓が
明
(
あき
)
らかに
透
(
す
)
いて見えるのでも、洒落な
画
(
ぐわ
)
風がわかる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おれは締切日を
明日
(
みょうにち
)
に控えた今夜、一気
呵成
(
かせい
)
にこの小説を書こうと思う。いや、書こうと思うのではない。書かなければならなくなってしまったのである。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
吉川君は年末年頭を利用して、一気
呵成
(
かせい
)
に事を決する積りだったが、丸尾夫人調製の
番組
(
プログラム
)
が
悉皆
(
すっかり
)
腐ってしまった。クリスマス
市
(
セール
)
への同伴さえ
叶
(
かな
)
わなかった。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
演説の方なら十時間でも一気
呵成
(
かせい
)
だが、文章となると考えばかりが先走って困るんだ。おまけに唯一の参考書類兼
活字引
(
いきじびき
)
ともいうべき友吉おやじが居ないんだからね。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
また谷間をS字形に縫っている
真白
(
まっしろ
)
な行手の
自動車道
(
ドライブ・ウェー
)
を
蒼翠
(
そうすい
)
の間に見出しながら、いつでも千々岩灘と千々岩松原を、両山脚の間に見て、一気
呵成
(
かせい
)
におりて行く趣きは
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
そして私の最初の経験は、かなり良好であったことを、白状せねばならぬ。だが、矢田部氏に至っては、一気
呵成
(
かせい
)
、皿に残ったものをすべて平げて了った。坐って物を食うのは困難な仕事である。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
夢中になって拵え、かかりきりで一気
呵成
(
かせい
)
に仕上げた作だ。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
この歌万葉時代に流行せる一気
呵成
(
かせい
)
の調にて、少しも野卑なる処はなく、字句もしまりをり候へども、全体の上より見れば上三句は
贅物
(
ぜいぶつ
)
に属し候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
持久戦で焦り気味のところだったから、手柄を立てゝ、一気
呵成
(
かせい
)
に勝ちを制する積りだった。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
当科
(
ここ
)
の主任の正木先生が亡くなられますと間もなく、やはりこの附属病室に収容されております一人の若い大学生の患者が、一気
呵成
(
かせい
)
に書上げて、私の手許に提出したものですが……
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
放縦
(
ほうしょう
)
にしてまとまらぬうちに面白味のあるものでも、
精緻
(
せいち
)
を
極
(
きわ
)
めたものでも、一気に
呵成
(
かせい
)
したものでも、神秘的なものでも、写実的なものでも、
朧
(
おぼろ
)
のなかに影を認めるような
糢糊
(
もこ
)
たるものでも
作物の批評
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この句
固
(
もと
)
より
幼穉
(
ようち
)
なりといへども、しかも三日月を
捻出
(
ねんしゅつ
)
しかつ一気
呵成
(
かせい
)
にものしたる処、
遥
(
はる
)
かに蒼虬の上にあり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
牧野さんはそれを一
気
(
き
)
呵成
(
かせい
)
に抹り上げて
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この歌は
酸漿
(
ほおずき
)
を主として詠みし歌なれば一、二、三、四の句皆一気
呵成
(
かせい
)
的にものせざるべからず。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
呵
漢検1級
部首:⼝
8画
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“呵”で始まる語句
呵責
呵々
呵
呵々大笑
呵嘖
呵然
呵殿
呵呀
呵氣
呵梨勒果