友情ゆうじょう)” の例文
しかしわたしすこしも身体からだ異状いじょういです、壮健そうけんです。無暗むやみ出掛でかけることは出来できません、どうぞわたし友情ゆうじょうのことでなんとかしょうさせてください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし、このまえのナイフのほうが、どれほど、おもいやりや、友情ゆうじょうがあったかしれません。わたしは、いままどしたで、よこたわりながら、そうおもっています……。
脊の低いとがった男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
でもそれよりもこれよりもいちばんつらいのは、ミリガン夫人ふじんとアーサとにわかれることであった。わたしはこの人たちの友情ゆうじょうからはなれなければならないであろう。
わたしは今晩こんばんいつもよりよけいにかれの友情ゆうじょう必要ひつようを感じた。わたしはあんなにゆかいな、あんなに親切な、あれほど友人としてたのもしいかれに会うことにただ一つの楽しい希望きぼうを持った。
あくるあさかれは、きるとまず、つくえ抽斗ひきだしけて、友情ゆうじょうのあったというむかしのナイフをしてみました。そのナイフは、もうあかくさびています。かれは、ねんのためにまどしたへいってみました。
脊の低いとがった男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ともはわざわざ休暇きゅうかって、かく自分じぶんとも出発しゅっぱつしたのではいか。ふか友情ゆうじょうによってではいか、親切しんせつなのではいか。しかしじつにこれほど有難迷惑ありがためいわくのことがまたとあろうか。降参こうさんだ、真平まっぴらだ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
きみはぼくがなにをたのんでも、ぼくの友情ゆうじょううたがいはしないだろうねえ
わたしはことわりたかったけれど、かれはきらきらする銀貨をわたしの手に無理むりににぎらせた。わたしはだいじにしているたからが分けてくれようというかれの友情ゆうじょうがひじょうに強いものであることを知った。
アーサはわたしにあつ友情ゆうじょうせていた。わたしのほうでもわざとでなしに、また気のどくという同情どうじょうからでなしに、しぜんとかれを兄弟のように思っていた。二人はけんか一つしたことはなかった。