利分りぶん)” の例文
おされしに三郎兵衞然樣さやうなりと申しける故彌々いよ/\其方四郎右衞門より借用致したるに相違さうゐなくは右百兩の金に十年の利分りぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
先年御用達ごようだって置いたあの金子の事でございます、ほかとは違いまして、兼が御奉公を致しましたお屋敷の事でございますから、外よりは利分りぶんをおやすく致しまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
刺しころして見たとて、なんの利分りぶんもあるまい。……狂気か酔狂か。……まず、そうとしか考えられぬ
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一ノ関の利分りぶんになるよう裁決した、涌谷と寺池(式部宗倫)との地境のあらそいも、両後見に対する六カ条の問題でも、貴方がどういう態度に出るかわかっている、ということです
長崎に居る時分あきなひの利分りぶんのことから私の父親を殺し、江戸へ出て拔け荷で大儲をしてゐたが、明かに親の敵と分つてゐても、言ひ立てるほどの證據もなく、それに女の細腕では
涌谷と寺池(式部宗倫むねとも)との地境論でも、奥山大学から、一ノ関と岩沼(田村右京)の両後見に出された「六カ条」の申入れでも、甲斐はつねに一ノ関の利分りぶんになるように計らっているし
つくして奉公せし故御主人方ごしゆじんがたにても此兩三年は餘程の利分りぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
訴へる時には我々われ/\かく仲間なかましうへ二十兩出させたうへ又々番所ばんしよへ引出しては何分どくにて我等われら濟難すみがたきによりまづ内々ない/\詮鑿せんさくいたされよとは云ものゝ明日あしたはらひにこまらるべければ我等われら二百りやう用立ようたてんによりそれにて此節季このせつきすまさるべしもつとも此金は利分りぶんに及ばず御都合ごつがふ宜敷よろしきをり返濟へんさいなさるべしと金子二百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)