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二鉢
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ふたはち
甲の
身の
上を
空想しながら、
花屋の
店頭にあった
二鉢のアネモネは、ある
日、
大学生が、
前に
立って、
自分たちを
見つめて
居るのに
気づきました。
宗助はそれから
湯を
浴びて、
晩食を
濟まして、
夜は
近所の
縁日へ
御米と
一所に
出掛けた。さうして
手頃な
花物を
二鉢買つて、
夫婦して
一つ
宛持つて
歸つて
來た。
木振賤からぬ
二鉢の梅の影を帯びて南縁の障子に
上り尽せる
日脚は、
袋棚に据ゑたる
福寿草の五六輪
咲揃へる
葩に輝きつつ、更に唯継の身よりは光も出づらんやうに
「ああ、そして、
明日、
桜草を
二鉢ばかりとどけてもらおうか。」と、
洋服を
着た
主人がいいました。