丞相じょうしょう)” の例文
「いっそ、南方へ蒙塵もうじんあそばすのが、いちばん安全でしょう。南方はまだ醇朴じゅんぼくな風があるし、丞相じょうしょう孔明がいた徳はまだ民の中に残っています」
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょう(大臣)の趙鼎ちょうていが遠く流されて朱崖しゅがいにあるとき、桂林けいりんそつが使いをつかわして酒や米を贈らせた。
丞相じょうしょう公孫賀こうそんが御史大夫ぎょしたいふ杜周としゅう太常たいじょう趙弟ちょうてい以下、誰一人として、帝の震怒しんどを犯してまで陵のために弁じようとする者はない。口を極めて彼らは李陵の売国的行為をののしる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
淳化三年進士及第して官に任じて、其政事の才により功を立てて累進して丞相じょうしょうに至り、真宗の信頼を得、乾興元年には晋国公にほうぜらるるに至った。蘇州節度使だった時、真宗の賜わった詩に
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しかし彼は、生涯「帝者に親近せず、丞相じょうしょうと親厚ならざりし」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
後に蜀の丞相じょうしょうの位に登りましてから、上表の文章の中に
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
竹裏館の秘密会で、王允おういんもいったとおり、彼の家柄は、元来名門であって、高祖覇業を立てて以来の——漢の丞相じょうしょう曹参そうさん末孫ばっそんだといわれている。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李蔡りさい青霍せいかく趙周ちょうしゅうと、丞相じょうしょうたる者は相ついで死罪に行なわれた。現在の丞相たる公孫賀こうそんがのごとき、命を拝したときにおのが運命を恐れて帝の前で手離しで泣出したほどである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
丞相じょうしょう丞相。敵は早くも、味方の裏をかいて、背後に廻っていますっ。早くお船へお移り下さい」と、呼ばわった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょう公孫賀こうそんがのごとき、その代表的なものだ。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「ついては、丞相じょうしょうの命を待たずに行ったことですから、今日はご処罰を仰ぐつもりでおります——独断をもって、両名を誅伐した罪、どうかおただしください」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君は、漢の丞相じょうしょうというが帝の御意でないことは明らかだ。故に、君がみずから恩を与えたというのは不当であろう。記憶せよ、玄徳は漢室の宗親であることを」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
李傕りかくという者ですが、丞相じょうしょうは常々からふかく将軍を慕っておられるので、特に、それがしに使いを命ぜられ、長くあなたと好誼よしみを結んでゆきたいとの仰せであります。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「関羽には三つの罪があります。丞相じょうしょうのご寛大は、却って味方の諸将に不平をいだかせましょう」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼い子女らと他愛なく遊びたわむれ、家門は栄え、身は丞相じょうしょう顕職けんしょくにあり、今や彼も、功成り名げて、弓馬剣槍のこともその念頭を去っているのであるまいかと思われた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょう孔明の決意に出るものなので、あきらかに出師の表に対して、反対を唱える者はなかったが
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君を呼ぶ者は君の好き敵である許都きょと丞相じょうしょう曹操だ。——しかし、君と我と、本来なんの仇があろう。予はただご辺が袁術えんじゅつと婚姻を結ぶと聞いて、攻め下ってきたまでである。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょうの威名と、仁慈は、河北においてこそ、あまねく知られておりますが、——この地方の民心はただ恐れることだけを知って、その仁愛も、丞相をいただく福利も知りません。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞けば、孔明はこんど皇帝の補佐たる丞相じょうしょうの任についたそうだが、彼を始め、蜀朝の文武は、栄爵えいしゃくに甘んじて、もう戦争の苦しみなどは、ひそかにいとっておるんじゃないか。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「曹丞相じょうしょうよ、夜来のご好意を感謝する。贈り物の矢はもう充分である。——おさらば!」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「臣りょうの亡き後は、誰を以て丞相じょうしょうの職に任ぜんと……陛下には、それをば第一に、勅使を以て、ご下問になられたことであろう。われ亡き後は、蒋琬しょうえんこそ、丞相たるの人である」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実は、丞相じょうしょう董卓とうたくを討ち損じて、逃げて来たまでのことです。私を賊と呼んで人相書など廻しているらしいが、彼奴きゃつこそ大逆の暴賊です。遅かれ早かれ、天下は大乱となりましょう。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち丞相じょうしょうのお旨にしたがい、発向の折、親しく賜わった丞相旗をうちたて、曹丞相みずから征してこの軍にありと敵に見せかけ、徐州を隔つこと百里の前に陣をとりて、あえて
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがしは、魏の部将鄭文ていぶんという者です。丞相じょうしょうえっしてお願いしたいことがある」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「天下の大変をお訴えに出ました。丞相じょうしょうを殺そうとしている謀叛人むほんにんがあります」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょうのお名まえは、かねてから伺っておりますが、お目にかかるのは……」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうも孔融こうゆうは、丞相じょうしょうにたいして、お怨みを抱いているようです。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょうへお祝いをのべにきましたのじゃ」と、卒へいう。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょう、お目をさまして下さい」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丞相じょうしょう孔明に会いたい」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)