“顕職”の読み方と例文
旧字:顯職
読み方割合
けんしょく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかし、将門が仕えた藤原忠平は、すでに六十からの老齢であり、太政大臣の顕職けんしょくにあるが、政治面からはもう実際的には身を退いていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから、八代吉宗公に見いだされた忠相が、江戸にでて南町奉行の顕職けんしょくについたのちも、泰軒はこうして思い出したように訪ねてきては、膝をつき合わしてむかしをしのび世相を談ずる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
古来から顕職けんしょくの栄位にぬきんでられて、却ってために、家を亡ぼし、身を害した者が史上にも多い。そのもとを思うに、みな、門閥もんばつと内室のわずらいから起っておる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)