“呻吟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんぎん61.4%
うめ16.4%
うめき13.5%
うな2.9%
うなり2.3%
うなる0.6%
うめい0.6%
うめきごえ0.6%
うめく0.6%
さまよ0.6%
によ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然るに恋愛なる一物のみは能く彼の厭世家の呻吟しんぎんする胸奥に忍び入る秘訣を有し、しくも彼をして多少の希望を起さしむる者なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
なんだか二階で人の呻吟うめくような声をきいたと思った。するとトントンと二階から一階へ降りて行く人の跫音あしおとがかすかに聴えてきた。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いまになって」七重が苦痛の呻吟うめきのように云った、「いまになってそんなことをうかがうなんて、あんまり悲しゅうございますわ」
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「何しろどこだ知らん。薄気味悪さに、かしらもたげて、じっと聞くと……やっぱり、ウーと呻吟うなる、それが枕許のその本箱の中らしい。」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はいつもの周蔵でないように怖ろしかった。周蔵は薬を飲むとまた苦しそうに呻吟うなり出した。私は家へ帰ろうかと思ったが、いかにも周蔵の苦しんでいるのを見捨てて帰るに忍びなかった。で
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
言語を教えるも呻吟うなるばかりだった、この児のち英人ニコレツ大尉の監督で養われたが生肉を嗜む事甚だしく一度に羊児半分を食った
もう何も云うことが出来ず、ただ呻吟うめいていたそうである。
何となく陰気なところで、静かな夜に、隣室から、苦しそうな病人の呻吟うめきごえが聞えてきたり、薄暗い廊下を白い棺桶が通って行ったりして、まことに気味のるいものだが、弟はその病院の二階にある解剖室で
死体室 (新字新仮名) / 岩村透(著)
その啼声は物に驚いたような、目が見えなくなったような、巣のを忘れたような、呻吟うめくような、もだえるような、切なそうな啼き声であった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
虚々うかうかとおのれも里のかた呻吟さまよひ出でて、或る人家のかたわらよぎりしに。ふと聞けば、垣のうちにてあやしうめき声す。耳傾けて立聞けば、何処どこやらん黄金丸の声音こわねに似たるに。今は少しも逡巡ためらはず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
夕顏は呻吟によびぬ、低に。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)