呻吟さまよ)” の例文
虚々うかうかとおのれも里のかた呻吟さまよひ出でて、或る人家のかたわらよぎりしに。ふと聞けば、垣のうちにてあやしうめき声す。耳傾けて立聞けば、何処どこやらん黄金丸の声音こわねに似たるに。今は少しも逡巡ためらはず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)