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わかやま
徘徊し
廻り/\て
和歌山の平野村と云へる所に
到りける此平野村に
當山派の
修驗感應院といふ
山伏ありしが此人甚だ
世話好にて嘉傳次を
それからすぐに
和歌山へ
引き
取られて
行つて、
久しく
國へ
歸ることもしませんでした。
加納家に
住みこんでから、はじめて
遠江の
母のところへ
歸省したことがあります。
理くつっぽくいへば、
和歌山を
出て
遠江までの
間に、
旅ごろもがわゝけるといふ
程のこともあるまいし、また
早春に
出たのが
晩春になつたといふ
程のこともありますまい。