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れいまい
長谷川時雨女史の実験談であるが、女史が
佃島にいた
比、
令妹の春子さんが腸チブスに
罹って
離屋の二階に寝ていたので、その
枕頭につきっきりで看護していた。
大佐の
令妹春枝夫人の
安否——
其良君濱島武文の
消息——それより
前に
私から
語らねばならぬのは(
大佐は
屹度死んだと
思つて
居るだらう)
※去三
年の
間、
私と
共に
朝日島の
月を
眺めて
また
松島海軍大佐の
令妹なる
彼の
夫人にはまだ
面會はせぬが、
兄君の
病床を
見舞はんが
爲めに、
暫時でも
其良君に
別を
告げ、
幼き
兒を
携へて、
浪風荒き
萬里の
旅に
赴くとは
仲々殊勝なる
振舞よと
「それから今日はお前、天神様の
御縁日だからお
礼詣りに上らなくては済みませんよ」