疫病神やくびょうがみ
長谷川時雨女史の実験談であるが、女史が佃島にいた比、令妹の春子さんが腸チブスに罹って離屋の二階に寝ていたので、その枕頭につきっきりで看護していた。 それは夜であったが、その時病人がうなされていた。女史は何の気なしに床の間の方へ眼をやった。そ …