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めう
「いけません。お
払でなきやアあとへお
帰ンなさい。」とおつしやつた。
先生妙な
顔をしてぼんやり
立つてたが
少しむきになつて
其二尺程下の
勾配の
一番急な
所に
生えてゐる
枯草が、
妙に
摺り
剥けて、
赤土の
肌を
生々しく
露出した
樣子に、
宗助は
一寸驚ろかされた。
お
品は
朝から
心持が
晴々して
日が
昇るに
連れて
蒲團へ
起き
直つて
見たが、
身體が
力の
無いながらに
妙に
輕く
成つたことを
感じた。