“ぶざま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不様25.4%
無様22.0%
不状18.6%
不態13.6%
無態8.5%
醜態5.1%
否様1.7%
失態1.7%
醜悪1.7%
醜様1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余りの不様ぶざまさ恥しさに、助けを求めることを躊躇ちゅうちょしている間に、大振子の一振り毎に、針は遠慮なく下って来た。最早や耐え難い痛みだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼がこう名乗った時、大気都姫は驚いた眼を挙げて、今更のようにこの無様ぶざまな若者を眺めた。素戔嗚の名は彼女の耳にも、明かに熟しているようであった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あまりの不状ぶざまに、むすめはうが、やさしかほをぽつと目瞼まぶたいろめ、ひざまでいて友禪いうぜんに、ふくらはぎゆきはせて、紅絹もみかげながれらしてつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
客間の隅に胡桃材のずんぐりした書物卓デスクが据えてあるが、不態ぶざまな四本脚で立っている恰好がまったく熊そっくりだ。
信吾が入つて來た時、昌作は、窓側の机の下に毛だらけの長い脛を投げ入れて、無態ぶざまに頬杖をついて熱心にしやべつてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかし、三四日するうちに、そこには何もなくなり真裸まるはだかな、穴だらけな、醜態ぶざまな土地が残された。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
それがしに七人兄弟中に、拙者は罪人、芳は夭死ようし、敏は唖に否様ぶざまの悪い様なものなれど、またあと四人はかなりに世をすごせられ、特に兄様、そもじ、小田村は両人ずつも子供があれば不足は申されぬ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
加之それに今朝のことを思い出せば、遠く離れた此処に斯うしていても、何とも言うに言えない失態ぶざまが未だに身に付き纏うているようで、唯あの土地を、思っても厭な心持がする。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
猫背でグロテスクな程両腕が長く、何う贔屓眼に見ても、人好きのする外貌を備えているとは言えなかった。平べったい醜悪ぶざまな顔に眼が窪んで、厚い口唇が強情に歪んでいた。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「第一貴様なんかに用はねえ、あまり醜様ぶざますぎるからな。未来の社会にはもう佝僂せむしなんかはいねえよ。佝僂が生まれりゃすぐに水に放り込んじまうんだ。」