“無態”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むたい75.0%
ぶざま25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何をいっても耳をかさずに、両手を取って手先の者は、お綱と弦之丞をムリ無態むたいに舟から揚げて、東奉行所へ引っ立てて行こうとする。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あらかじめたくらんだものと見え、道場の前へ差しかかりますと、ご門弟衆バラバラと立ち出で、無理無態むたいに私を連れ込み、是非にと試合を望みましたれば……」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
包みは大きい割にさほど重くもなかつたが、小さな私の背丈にもあまる位だつたので、それを背負つて歩く恰好は、見るも無態ぶざまなものだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
信吾が入つて來た時、昌作は、窓側の机の下に毛だらけの長い脛を投げ入れて、無態ぶざまに頬杖をついて熱心にしやべつてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)