無態ぶざま)” の例文
包みは大きい割にさほど重くもなかつたが、小さな私の背丈にもあまる位だつたので、それを背負つて歩く恰好は、見るも無態ぶざまなものだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
信吾が入つて來た時、昌作は、窓側の机の下に毛だらけの長い脛を投げ入れて、無態ぶざまに頬杖をついて熱心にしやべつてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ぼくは、ボオトのことばかりでなく、日常生活でも、することが一々無態ぶざまだというので、先輩達にずいぶん叱られた。叱られた上に馬鹿にされていました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
気絶した彼のすぐそばには、これも気を失ったダンチョンが、無態ぶざま姿なりをして倒れている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
信吾が入つて来た時、昌作は、窓側の机の下に毛だらけの長い脛を投げ入れて、無態ぶざまに頬杖をついて熱心に喋つてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)