-
トップ
>
-
ふたひ
疑がふは
罪ふかき
事なり
一日二日待給へ
好き
御返事の
參るは
定ぞと
言ひしに
違ひは
無かるべし
若しさうならば
何とせん
八重は
上もなき
恩人なれば
何ごとなり
共氣に
入ることして
悦ばせたし
歳は
下なれど
分別ある
人とて
言少なゝれば
願ひは
有や
望みはなしや
知れ
難きを
便りまつ
間の
一日二日嬉しきやうな
氣づかひな
八重に
遠慮は
入らぬものゝ
又言ひ
出すかと
思はるゝも
恥かしくじつと
堪ゆる
返事の
安否もしやと
思へば
萬一やになるなり
八重は
大丈夫と
受合へど
夫は
氣やすめの
詞なるべし
彼の
文とても
御受取になりしやならずや
其塲で
其ま〻
御突き
戻しになりたるを