“とめき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
留南奇62.5%
留南木12.5%
留木12.5%
留奇6.3%
留楠木6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やさしい声、はッと花降る留南奇とめきの薫に、お源は恍惚うっとりとして顔を上げると、帯も、たもとも、衣紋えもんも、扱帯しごきも、花いろいろの立姿。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふりあきからこぼれる長襦袢ながじゅばんが梓の手にちらちらとからむばかり、さっとする留南木とめきかおり。顔を見合せて
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けてながめうとおもはなを、つとのまゝへやかせていて、待搆まちかまへたつくなひのかれなんぢや! つんぼの、をうしの、明盲人あきめくらの、鮫膚さめはだこしたぬ、針線はりがねのやうな縮毛ちゞれつけ人膚ひとはだ留木とめきかをりかはりに
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
灰皿にも用いよう。がねがわくば、竜涎りゅうぜん蘆薈ろかい留奇とめきの名香。緑玉エメラルド、真珠、紅玉ルビイらせたい。某国なにがし——公使の、その一品ひとしなおくりものに使ってから、相伝えて、外国の註文が少くない。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほんのりと一重桜、カランと吾妻下駄を、赤電車の過ぎた線路に遠慮なく響かすと、はっと留楠木とめきの薫して、おぼろすかした霞の姿、夜目にもつまを咲せたのは、稲葉家のお孝であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)