留楠木とめき)” の例文
ほんのりと一重桜、カランと吾妻下駄を、赤電車の過ぎた線路に遠慮なく響かすと、はっと留楠木とめきの薫して、おぼろすかした霞の姿、夜目にもつまを咲せたのは、稲葉家のお孝であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)