“とうかい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
韜晦74.6%
倒潰8.5%
東海7.0%
倒壊4.2%
踏海1.4%
蹈海1.4%
盗魁1.4%
鞱晦1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今は全く韜晦とうかいして消息を絶ってしまったが、黒川文淵くろかわぶんえんという一種異色ある思想家が同居していて朝夕互に偏哲学を戦わしていた。
田畑の被害はもちろん、城下の家もかなり流されたり、倒潰とうかいしたりして五百何十人も死んだり、埋められたりし、千人を越す負傷者が出た。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは五人ごにんとも別々べつ/\で、石造皇子いしつくりのみこには天竺てんじくにあるほとけ御石みいしはち車持皇子くらもちのみこには東海とうかい蓬莱山ほうらいさんにあるぎんきんくき白玉しらたまをもつたえだ一本いつぽん阿倍あべ右大臣うだいじんには唐土もろこしにある火鼠ひねずみ皮衣かはごろも
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
が、それほどな英時も、大本おおもとの鎌倉幕府の倒壊とうかいに会してはぜひもない。保身的な豹変者ひょうへんしゃ、元来からの宮方勢の包囲のうちに、あえなく自刃をとげてしまった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は万里踏海とうかいの策を企てたり、しかれども彼はこの際において、兄に面別するに忍びず、兄が寓する長州邸の門前を徘徊はいかいして涙を揮い、空しく去れり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
踏海とうかいの策敗れて下田の獄に繋がるるや、獄卒ごくそつに説くに、自国を尊び、外国を卑み、綱常こうじょうを重んじ、彝倫いりんついずべきを以てし、狼の目より涙を流さしめたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この時において彼徒爾とじにしてまんや。蹈海とうかいの雄志は奔馬ほんば鞭影べんえいに驚きたるが如し。彼に徒爾にしてまんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
けだしこの書は彼が松陰蹈海とうかいの罪に牽連けんれんせられて、安政元年四月よりつながれて獄にある七箇月の間、筆研を禁ぜられたるがために、黙録臆記になるものにして
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
称す是れ盗魁とうかい 匹として蜃気楼しんきろう堂を吐くが如し 百年の艸木そうぼく腥丘せいきゆうを余す 数里の山河劫灰こうかいに付す 敗卒庭にあつまる真に幻矣 精兵あなを潜る亦奇なる哉 誰か知らん一滴黄金水 翻つて全州に向つて毒を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その結果荷風は、ヨーロッパふうな社会的なものの考えかたは放擲して、自身の有産的境地のゆるす範囲に鞱晦とうかいして、好色的文学に入ってしまった作家です。