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たいゐ
神の
使であつたらう、この
鳥がないと、
民子は
夫にも
逢へず、
其の
看護も
出來ず、
且つやがて
大尉に
昇進した
少尉の
榮を
見ることもならず、
與曾平の
喜顏にも、
再會することが
出來なかつたのである。
ブラ/\と
面白き空想を
伴にして
堤を
北頭に
膝栗毛を
歩ませながら、
見送り
果てドヤ/\と帰る人々が
大尉の
年は
幾つならんの、
何処の
出生ならんの、
或は
短艇の
事
西も
東も
果しなき
大洋の
面では、
荒浪騷ぎ、
艇跳つて、とても
仔細かい
話などは
出來ない、かく
言ふ
間も
巨濤は、
舷に
碎けて
艇覆らんとす、
大尉舵をば
右方に
廻し、『
進!。』の
一聲。