“さめはだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鮫肌60.0%
鮫膚40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白く肌理きめこまかい金五郎の皮膚にくらべて、友田の身体は、鮫肌さめはだで、どす黒い。そこへ、両腕から背中一面にかけて、自来也じらいやの彫青をしているので、よごれたシャツでも着ているようである。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
またあのざらざらした鮫肌さめはだや、くさい大蒜にんにくの匂いのした舌や、べったり髪にくっついた油や、長い爪や、咬みつく尖った乱杭歯らんぐいばやが——と思うと、もう彼女はあきらめきった病人のように
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ずり落ちたかわらは軒に這い下り、そり返った下見板の木目と木節は鮫膚さめはだしわや吹出物の跡のように、油気の抜けきった白ペンキの安白粉やすおしろいに汚なくまみれている。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
けてながめうとおもはなを、つとのまゝへやかせていて、待搆まちかまへたつくなひのかれなんぢや! つんぼの、をうしの、明盲人あきめくらの、鮫膚さめはだこしたぬ、針線はりがねのやうな縮毛ちゞれつけ人膚ひとはだ留木とめきかをりかはりに
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あらためてしるしせう、……前刻さきにまをした、鮫膚さめはだ縮毛ちゞれけの、みにくきたない、木像もくざうを、仔細しさいありげによそほふた、心根こゝろねのほどの苦々にが/\しさに、へしつて捻切ねぢきつた、をんな片腕かたうでいまかへすわ、受取うけとれ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)