“さしつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差支85.1%
差閊7.8%
差遣4.5%
左支0.6%
指支0.6%
指閊0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、作品として出来上った所の其作品が、何かの教訓を読者に与えるなれば、あえて作家の辞する所でない。一向差支さしつかえないのである。
予の描かんと欲する作品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、絵で見る天使はみんな裸体だから、あれでいっこう差閊さしつかえあるまいと彼はこの悲劇に不謹慎ふきんしんなユウモアをろうして満廷を苦笑させた。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
一日も早くくだんの悪僧を誅戮ちゅうりくなし、下々しもじもの難儀を救い取らせよとの有難い思召おぼしめしによって、はるばる身共を差遣さしつかわされた次第じゃ。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
微笑ほほえみながら、濃い茶に鶴の羽小紋の紋着もんつき二枚あわせ藍気鼠あいけねずみの半襟、白茶地しらちゃじ翁格子おきなごうしの博多の丸帯、古代模様空色縮緬ちりめん長襦袢ながじゅばん、慎ましやかに、酒井に引添ひっそうた風采とりなりは、左支さしつかえなくつむりが下るが
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人多くは事の指支さしつかゆる時に臨み、作略さりやくを用て一旦其の指支を通せば、跡は時宜じぎ次第工夫の出來る樣に思へ共、作略の煩ひ屹度生じ、事必ず敗るゝものぞ。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
以て片田舍へ引籠ひきこもり遣ひのこりし金にて何とか能思案しあんなすべしと思ひて彼是半月餘りもすごしけるに知音しるべの者は日々の暮しに指閊さしつか難儀なんぎ樣子やうすなるにぞ靱負ゆきへは氣の毒に思ひ或日懷中くわいちうより金五兩取り出し紙へひねりてあるじむか御邊ごへん今日の營み是ぞと申程の事もなく日々雇のかせぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「あなたは眠らないとあとあとにさしつかえるから。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)