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けいりやく
夫れ
台所に於ける
鼠の
勢力の
法外なる
飯焚男が
升落しの
計略も更に
討滅しがたきを思へば、
社会問題に
耳傾くる人いかで此
一町内百「ダース」の
文学者を
等閑にするを
得べき。
ましてや
他人の
底ふかき
計略の
淵知るべきならねば
陷れられて
後の
一悔恨空しく
呑む
涙の
晴れ
間は
無くて
降りかゝる
憂苦と
繋がるゝ
情緒に
思慮分別も
烏羽玉の
闇くらき
中にも
星明りに
目と
目見合せて
莞爾とばかり
名殘の
笑顏うら
淋しくいざと
促せばいざと
答へて
流石にたゆたは
なしにける斯て八山には
皆々打寄實に明日こそ御親子御
對顏に相成に付
最早事成就せりと次右衞門が
計略に乘りしとは
知らず大いに悦び
斯樣なる悦しき事は一夜を