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おほばか
其上に
腹を
立つと
直ぐに、
此の
野郎、
此の
大馬鹿と
惡體が
初まるので、
是等は
大地主の
癖であるが、
餘り
感心した
風では
無い、とドクトルも
思ふたのであつた。
見られ大岡殿イヤハヤ
意氣地のなき
坊主め
疾より知れてある事を
汝隱しだてをする
大馬鹿めコリヤ
其大帳を是へと申さるゝ時目安方ハツと
差出すを
取て見らるれば享保元年の帳に
喋舌ることの
出來ないのを
稱して
大馬鹿だといふは
餘り
殘酷いかも
知れないが
見捨て出行たる女なれば
持參金道具は
勿論離縁状まで出す事はならぬと
云張誠に
困り
果たる
故其
儘捨ても置れず
故意々々出府して
自身掛合處に
聟は
大馬鹿なり
舅の五兵衞は何日行ても一寸とも
會ず唯店の久兵衞と云者ばかり一人彼是云て何れにも
埓が
明ず尤も向うが何樣に
惡敷とも親亭主を