“うがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
含嗽50.9%
25.5%
鵜飼7.3%
含漱3.6%
嗽水3.6%
3.6%
口嗽1.8%
口洗1.8%
合嗽1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高低さまざまな泣き声が、惨澹さんたんたる諧調をつくりながら、いつまでも続く。ひとりが、含嗽うがいをするような声で叫んだ。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
鏡台の前に坐らせて、うがい茶碗でぬらした手を、男の顔へこう懸けながら、背後うしろへ廻った、とまあ思わっせえ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
美濃の鵜飼うがいから信州本山もとやままでの間は尾州藩、本山から下諏訪しもすわまでの間は松平丹波守まつだいらたんばのかみ、下諏訪から和田までの間は諏訪因幡守いなばのかみの道固めというふうに。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一人が思い出したように立って、室の隅の水道栓のところで含漱うがいを始めた。社長は次の室へ去った。——
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
暁起ぎょうき嗽水うがいして、彼は、ほぼ落成した御所の外廻りをここかしこ見て歩いていた。そして、皇居を拝し、陽の出る頃は、もう宿所の寺院に帰って、朝飯を喰っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
口中に熱あり、歯の浮く御仁、歯齦はぐきゆるんだお人、お立合の中に、もしや万一です。口の臭い、舌の粘々ねばねばするお方がありましたら、ここに出しておきます、この芳口剤で一度うがいをして下さい。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
浦賀には是非ぜひいかりおろすとうのがおきまりで、浦賀に着するやいなや、船中数十日のその間は勿論もちろん湯に這入はいると云うことの出来るけもない、口嗽うがいをする水がヤット出来ると云うくらいな事で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こう云うと立ち上がって台所へ行き、口洗うがい手水ちょうずをしたものである。さて立ち帰ってピタリと端座、封を解いて読み下した。中山備前とは何者であろう。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ある時佐助齲歯むしばを病み右の頬がおびただしくれ上り夜に入ってから苦痛え難きほどであったのをいてこらえて色に表わさず折々そっと合嗽うがい
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)