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いちばい
然し
此日は、
無論空腹の
儘に
暮れて、
夜は
夢の
間も、
始終食物の
事を
夢て
居るといふ
次第、
翌日になると
苦さは
又一倍、
少年と
二人で
色青ざめて、
顏を
見合はして
居るばかり
是はまた
格別の
賑はひ、
郡司大尉の
壮行をまのあたり見て、子や
孫に
語りて
教草にせんと、
送別の
外の
遊人も多くして、
帰さは
筇を
此に
曳きしも
少からで、また
一倍の
賑はひはありしならん
何も、
油堀だつて、そこにづらりと
並んだ
藏が——
中には
破壁に
草の
生えたのも
交つて——
油藏とも
限るまいが、
妙に
油壺、
油瓶でも
積んであるやうで、
一倍陰氣で