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ありやう
まだ
一時だな、コレ
有樣は
今夜おいらは
立待だから
寢る
事がならねえ、
此處へ
來な、
立つて
居ても
談が
出來やす。女「あほらしい、
私や
立つて
居て
話ノウする
事は、いや/\。 ...
又苦の
世の
中やと
我身に
比べて
最憐がり
心の
限り
慰められ
優子眞實たのもしく
深くぞ
染めし
初花ごろも
色には
出じとつゝみしは
和女への
隔心ならず
有樣は
打明てと
幾たびも
口元までは
出しものゝ
恥かしさにツイ
云ひそゝくれぬ
和女はまだ
昨日今日とて
見參らせし
事も
無きならんが
婢女どもは
蔭口にお
名は
罷出候はゞ、奇特御座候とも、余命
無御座候。まして我等
躰之者罷出、何之奇特も御座
有間敷候得は、罷出
無詮義と存候。当世は
有様正直を
申て、用に
立申儀にて無御座候。