“パイプ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煙管62.1%
10.3%
号笛3.4%
烟管3.4%
鉄管3.4%
伝声管3.4%
咽管3.4%
烟草3.4%
煙草3.4%
鉄棒3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
失礼ですが、そいつは偏見というものですよ、私にいわせると、むしろ、煙管パイプたばこはかぎ煙草などよりずっと身体に良いくらいですよ。
さもなくとも頭の方へ血を送っているパイプの根本が破れるんだから脳髄が一ペンに参って、卒中よりも迅速にたおれてしまうという世にも恐ろしいのがこの大動脈瘤である。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
起重機のがらがらという音だの、圧搾空気の鉄槌のかたかたかたとやかましい響だの、大きなポンプの轟々と廻る音だのが、頭の上にはげしく噛みあっている。どこかでひゅーっと号笛パイプが鳴るのが聞える。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
伝令は号笛パイプをふきながら、各甲板や艦内へふれている。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
原口さんは開会の前日検分の為一寸ちよつとた。腰掛に腰を卸して、ひさしいあひだ烟管パイプを啣へて眺めてゐた。やがて、ぬつと立つて、場内を一順丁寧にまはつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つてたね」と云つて烟管パイプくちから取つて、さい丸卓まるテーブルうへに置いた。燐寸マツチと灰皿がつてゐる。椅子もある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左右の壁には火のような蒸気スチーム鉄管パイプが一面にぬたくっているので、通り抜けただけでも呼吸いきが詰まって眼がまわる上に、手でも足でも触れたら最後大火傷おおやけどだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ええ。あそこは鉄管パイプがゴチャゴチャしていてステキに暑いもんですから腐りが早かったんでしょう。白い歯を一パイにき出してね。うじ一匹居なかったんですが……随分臭かったんですよ」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
伝声管パイプから、伝令の太い声が、聞こえた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
出帆に遅れまいとする船員が三人、買物の包みを抱えて為吉の前を急足いそぎあしに通った。濃い咽管パイプ煙草のかおりが彼の嗅覚を突いた。と、遠い外国の港街が幻のように為吉の眼に浮んで消えた。彼は決心した。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
うです」と云ひながら、燐寸マツチつて、先刻さつき烟草パイプに火をけて、再びくちに啣へた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
時々驚愕きょうがくしたように眼を離して、函の中に納められている木乃伊の方を振り返って見たり、手にした煙草パイプに火を点けるのさえ忘れているのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
食堂の柱へかじり付いて泣き叫ぶ奴を、下級船員が寄ってたかって、拳銃ピストル鉄棒パイプ突付つきつけてヘトヘトになるまで小突きまわして、泥棒猫でもい出すようにして桟橋へたたき出してしまった。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)